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「2002年度ウォルグリーンの実績」(パート1) 2002年8月31日に会計年度を終えたウォルグリーンの業績が発表され、28年連続増収増益と又記録をぬりかえた。売上は287億ドルで前年比16.1%の成長を記録し、税引き後の純利益では1019百万ドル、前年比15.1%の成長であった。これは全米43州とプエルトリコで展開している3880の店舗と、3つのメールサービスの施設であげた結果である。既存店の業績は売上において前年比10.5%の成長をし、新店は会社全体の売上増加分の9.6%の貢献をした。店舗数は2002年8月31日現在で3883店舗、前年度より363店舗の増加であった。新店舗は471店舗であったが、108店舗の閉鎖があったので純増は363店舗である。閉鎖した店の場合の殆どがリロケーションといって閉鎖した店のすぐそばのより良い立地に店を出している為に、今までの顧客に迷惑をかけるどころかより便利性を提供している。新店のうち150店舗は購入したが、残りはリースである。ウォルグリーンは余程良い立地以外は購入せず、リース主体の方針である。また他のチェーンドラッグが規模拡大のために合併戦略を取るところ、ウォルグリーンはあくまで自前で店舗を増加させている。吸収されるような企業には消費者から見放された悪い企業文化が根づいていて、それが顧客第一をモットーにするウォルグリーンの企業文化をおかしなものにしたり、又吸収した店からの悪い印象を引きずって、ウォルグリーンはひどい企業だと消費者に判断されかねないからである。配送センターは新たに2ヶ所(フロリダのウエストパームビーチとテキサスのダラス)オープンした。 粗利益率は26.5%で、2000年度の27.1%、そして2001年度の26.7%から見ると年々落としている。調剤の粗利率の低下やセルフ売場商品のプロモーションの増加によるもので、米国の価格競争の厳しさを表わしている。販売管理費は20.9%で、2000年度の21.3%、2001年度の21.0%より削減されている。株主資本収益率は17.8ポイントとなっているが、この数値は他のチェーンドラッグが12%以下という実態を見ると、いかに成長性及び収益性の高い経営をしているかが分かる。 |
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ウォルグリーンの2002年度業績![]()
ウォルグリーンの年度別店舗概要 ![]()
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調剤薬の売上は全店で21.2%成長し、既存店では16.3%の成長であった。これを商品構成比で見てみると、全売上の60%を占めており、年々その構成比を増加させている。第三者機関(マネージドケア、政府及び民間保険)関連の調剤の売上は、ウォルグリーンの全調剤売上の90%を占めるようになり、現金調剤は10%に落ちてしまった。これが調剤の粗利益を落とす大きな問題になっている(1990年には35〜40%の利益があったが、現在では20%程度)。調剤利益率の向上の為にジェネリックの活用を推進しているが、これはヘルスケアコストの削減する一方、店に利益を運ぶと言うことでWin-Win商品になっている。またシニアディビデンドというプログラムを開始した。これは55歳以上で調剤の現金客の場合、支払った金額の10%をウォルグリーンの店で使えるというプログラムである。例えば60ドル支払った場合、6ドルを他の商品の購入に活用出来るのである。シニアディビデンドカードは勿論貯めることも出来るし、どのウォルグリーンでも使用することが出来る。これは顧客のロイヤルカスタマー化と調剤の利益率向上の為の戦略である。 ウォルグリーンの調剤の件数は年間361百万件で、1日当り店舗平均13000ドルの調剤売上を上げている。これは小売全調剤の12%のシェアを占めていることであり、米国一の大きな調剤の売上を持つ企業である。高齢化社会において命を救う新しい薬の市場化は、調剤市場を非常に明るくしている。又シニア人口が増加していることのみならず、彼らがこれまで以上にクスリにお世話になってきていることもこの市場を成長させている。例えば55才以上の人々の処方回数でみてみると、1992年には平均年間17回だったのが、2000年には26回と急上昇しており、さらに2010年には36回になると推測されている。 ウォルグリーンでは商圏の人種に合わせる為に中国語、フランス語、ポルトガル語、ポーランド語、ロシア語、ベトナム語、スペイン語、英語の8カ国語で調剤のラベルがプリントされるようになっており、現在では35万人が英語以外の言語の調剤ラベルを求めている。 2007年までに薬剤師の数は7%しか伸びないが、調剤枚数は60%伸びると予測されており、米国において薬剤師不足は深刻な問題になっている。しかしウォルグリーンの場合、現在1年前より1600人も多くの薬剤師が勤務している。それはこの会社の調剤にかける姿勢、倫理観そして働く環境の良いことが、薬剤師に働いてみたい仕事場としてウォルグリーンを選ばせている結果である。 |
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