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「米国のNo.2ドラッグストアCVSの現状」 前回までのウォルグリーンに次いで、今回は米国のCVSの現状を紹介しよう。 米国32州とコロンビアディストリクトで4,087店舗を展開しているCVS は、米国のドラッグ業界においてウォルグリーンに次いで第2位を占める大手ドラッグである。現にCVSは米国の100のドラッグストア市場において、31の市場ではトップシェアを、他の多くのマーケットでもNo.2のシェアを持っており、2002年度には次のような順調な業績を残した。 |
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売上においては前年比8.7%の成長を記録し、24,182百万ドルをあげた。小売業にとって大切な既存店の売上の伸張は8.4%を記録したが、調剤は特に好調で既存店ベースで11.7%伸びた。また売場スペース生産性では、1スクエアフット(一坪は約36スクエアフィート)当り770ドルを上げたが、これはドラッグストアの中ではトップクラスの生産性である。新しいマーケットとして、ラスベガス、フロリダ、シカゴ、フェニックス、テキサスへ積極的に進出し、ウォルグリーンと激しい戦いを演じている。こうした意欲的な出店政策で、2002年度にはリロケーションも含めた新店が266店舗追加された。2003年にはさらに275店舗オープンする計画である。 店舗スタイルとしては、クイックイン・クイックアウトをコンセプトにおいており、2002年末にはフリースタンディング比率が47%に上昇したが、2003年末には52%まで上げる予定である。しかしウォルグリーンのフリースタンディング比率の77%と比較すると、まだショッピングセンターの中に店を構えている比率が高い。又24時間営業も積極的に展開し全店舗の約20%の800店舗に上っている。新しい店舗では“Beauty at Door”フォーマットを採用しており、グリーティングカード・食品・家庭用品が店の入り口近辺を占めるかつてのレイアウトから、ビューティーケアがそれらの位置を占めるようになっている。それは来店した顧客にまず良いイメージを持ってもらい、滞店時間を長くして買物をしてもらいたいからである。また1時間現像の機能を3000店舗以上に配置し、顧客の便利性ニーズを満たしている。CVSは通常のドラッグストアと同じように、調剤のほかOTC、化粧品、グリーティングカード、DPE、コンビニエンスフード、日用雑貨をCVSの店舗やCVS.comを通して販売している。又別事業として、ファーマシー・ベネフィット・マネージメント(PBM)プログラムビジネスや、プロケアという名前で特別な病気(ガン・エイズ・小人症・不妊症・ホルモン異常症・精神病等)の人の為のスペシャリティ・ファーマシー・サービスを行っている。プロケアビジネス市場は現在220億ドルだが、5年後には2倍の450億ドルに成長するのは間違いないと言われており、CVSではこのビジネスに大変力を入れている。 米国の調剤市場は2005年まで毎年12〜14%成長すると予測され、処方数でも現在より10億枚増加する。そのためCVSは調剤には大変力を入れており、2002年度の処方枚数は316百万枚を記録した。これは小売業における調剤薬のシェアの11%であり、ヘルスケアに関しては世界的に優れた企業という評判をとっている。CVSの調剤の売上構成比は2002年度で約68%を占め、調剤の売上が企業の生命線になっている。そのためEPIC(Excellence Pharmacy Innovation and Care)という先進的なプログラムを導入しており、薬剤師がより生産的に働けるようにしている。これによって顧客も短い待ち時間と適切な薬の提供が得られるようになった。又DUR(Drug Utilization Review)テクノロジーも、処方される調剤同士の相性や、OTCやハーブとの相性のチェックに欠かせない存在であるが、このテクノロジーは薬剤師の効率的な勤務システムの構築にも貢献している。しかしCVSの調剤の92%は第三者機関を通してのものであるため、それが利益率の低下を招いている。そのためジェネリックドラッグの積極的な採用と、コストの削減に努力をしている。 近年CVSが力を入れているサービス分野が女性とシニアに対してである。店内に設置されているキオスク(機器)から女性の体調チェックや管理に対する情報がもらえるようになっている。このプログラムはコロンビア大学のThe Partnership for Women's Healthという機関との協働プログラムである。またシニアに対しては調剤薬のディスカウントプログラムがある。CVSがセルフ売場で力を入れているのがExtra Care ロイヤルティカードプログラムだが、メンバー数は2002年度に8百万人増加して合計33百万人にまで膨らんだ。これは米国で最も大きいFSPプログラムである。セルフ売場の売上の50%はエクストラカードメンバーによってあげられている。CVSはこのプログラムによって、ポイントで顧客の固定化を図っている一方、顧客の購買行動についての情報を得て店作りや商品開発に生かしている。 また欠品や過剰在庫を無くすために、AIMと呼ばれる在庫管理システム(Automatic Inventory Management)を昨年から導入している。この自動発注システムを通して店から自社の配送センターに注文が入るが、週の売上が6万ドル以下の店には週一回、6万ドル以上の店には週2回の配送がされる。現在発注から商品の到着までのリードタイムは48時間であるが、将来的には24時間にする意向である。 CVS.comに“Baby&Mom”と“Home Health Care”という二つのプログラムが2002年度に追加された。“Baby&Mom”では通常の店舗であまり品揃えされていないベビー用品やマタニティー商品が用意されており、顧客の評判を取っている。又“Home Health Care”では介護の人々のプライバシーを配慮して、失禁用品・介護機器・糖尿病治療用品などがインターネットや電話で注文出来て 配達される様になっている。 店舗数はこの6年間で3倍弱になっているが、新店もある一方吸収合併した店舗も多い。吸収合併した企業とのあつれきで悩む企業が多い中、CVSは次のようなビジョンとミッションそして価値観を明確にすることによって、人々の心を一本化している。 |
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