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「2002年度米国ドラッグストアにおける調剤薬市場の動向」 調剤薬市場の成長は続いており、2001年に30億枚であった小売処方箋枚数が、2006年までに40億枚になることが予測されている。2002年度の売上は11.3%伸長し1827億ドルを記録した。そして今後も大きな成長を予測されているが、その背景は次の通りである。
だがおいしい話だけではない。同時に多くの問題を抱えている。保険会社からのプレッシャーによる薄い利益率、2002年度には22%の成長を記録したメールオーダー調剤の継続的な躍進(保険会社によるメールオーダー調剤の推奨又は強制)、薬剤師の不足(2002年度はチェーンファーマシーだけで5499人の薬剤師が不足)、調剤薬の自己負担額の上昇から来る需要のスローダウン、OTCドラッグの服用促進、カナダからブランド調剤薬逆輸入による低価格販売等々、問題も多い。 小売チャネル別に見た場合、調剤薬市場の王者であるチェーンドラッグ(40%のシェア)は、2000年・2001年は二桁成長をしたが、2002年度は8.4%の成長しかなく734億ドルの売上げに終わった。チェーンドラッグが圧倒的に一位の座を占めているが、ディスカウントストアやスーパーマーケットの方が遥かに高い成長を示している。驚くべき成長を示しているのはメールオーダーの調剤で、2001年度に25%、2002年度には22%の売上げの伸びを記録した。成長の理由は2002年度に全処方箋の49%は慢性病が対象であったが、その慢性病の調剤薬に対して保険会社は価格の安いメールオーダー調剤を使用することを強く薦めたり、保険対象の条件にしたためである。又消費者から見ると、慢性病の薬はいつも服用しているから良く分かっており、薬剤師のフェース・ツー・フェースのカウンセリングを必要としない。このように、メールオーダーは時間とお金の節約になるために急成長しており、非常に近い将来独立ドラッグの調剤売上げを抜くことが確実視されている。 調剤薬は各ドラッグストアの売上げの柱になっており、ウォルグリーンで60%、単独店で85%程度の構成比になっている。しかし保険を通しての調剤の増加と保険会社のパワーの増加により、ドラッグストアにおける調剤薬の利益率は急減しており、ウォルグリーンでさえ21%の粗利益率しかない。柱の部門で利益が上らない状況になっているのが、ドラッグストアの大きな問題だ。そのため調剤の効率的な運営が迫られ、セントラル調剤システムやオートメーション化が促進している。 |
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◆小売チャネル別調剤薬状況
◆小売チャネル別調剤枚数状況
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| カデゴリー別全調剤薬枚数を見てみると、医療費の抑制によってジェネリック調剤薬の伸びが著しく10%の成長を記録した。一方ブランド調剤薬の成長は1%に止まった。そしてジェネリック調剤薬の構成比はブランド調剤薬に迫ってきている。 |
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◆カテゴリー別全調剤状況
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| 調剤薬の売上げを企業別に見てみると、トップ20にドラッグストアが7社占めているが、スーパーマーケットが9社、ディスカウントストアが3社、そしてホールセールクラブが1社占めるという他企業の存在が目立つ。他企業が調剤に積極的になったのはやはりワンストップショッピング機能を高める目的が強い。いずれにしても調剤はドラッグストアの専売カテゴリーでなくなったのである。 |
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◆2002年度調剤薬売上げトップ20企業
Drs=ドラッグストア、DS=ディスカウントストア、Spr=スーパーマーケット、Whc=ホールセールクラブ |
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