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「肥満に対する対策」 1991年と比較して2000年の肥満人口は61%も増加したという米国では、肥満が深刻な問題になっている。全人口の30%以上、そして成人人口の65%は肥満といわれている。今後アンチ肥満調剤薬がドラッグストアの重要な商品になっていくことは間違いない。次の表でも分かるように、現在のところ肥満の調剤薬は50%がドラッグストアで、13%がスーパーマーケットで、8%がディスカウントストアで購入されている。 |
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◆ウエイトロス調剤薬を購入する場所
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しかし実際のところ殆どの肥満の人は薬での治療をしていない。肥満と認める人のわずか7%が調剤薬で治療し、調剤薬&OTC療法で治療しているのはたった3%の人というが現状である。一方、高コレステロール・アレルギー・鎮痛・胸やけ等では、70%以上の人が薬の世話になっている。ということは、今後肥満対策においても効果的な薬が出現すれば、薬が活躍する余地が非常に高いということであり、又ダイエットや運動だけでは肥満の問題を解消していないという現実でもある。 |
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◆治療方法
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肥満と密接な関係のある糖尿病も、全人口における割合は1991年の4.9%から2000年の7.3%に増加した。肥満は糖尿病以外の病気心臓疾患やがんの引き金にもなっている。また通風・高コレステロール・高血圧・睡眠障害・呼吸障害・糖尿病・関節炎・鬱等の精神障害などとも密接な関係がある。しかし困ったことは、多くの米国人が肥満とそれによる病気の危険性を否定していることだ。肥満人口の65%の人は過去2年間に減量の試みをした。しかしそのうちたった22%の人しか減量後の体重を維持していない。ということは再度肥満になってしまったということだ。また肥満の人の72%は自分の適切な体重を知っていながら、23%の人しか実際に減量を試みていない。81%の人は体重を落とすために運動が重要なのを知っているが、必要な運動量に関しては実際より少なめに考えている。アメリカ人の25%は仕事や家庭での毎日の生活の中で身体を使うことを全くやっていないし、70%は定期的な運動をしていない。このように身体を使わないことや食事の悪い習慣が肥満の最大の要因になっている。 ファーストフードやスナック産業はアメリカ人の肥満に対する責任を感じるべきだと言っている人さえいる。食べることをあおるような広告やスーパーサイズの量の提供に対してである。それに対応するかのようにマクドナルドはつい最近、スーパーサイズのフライドポテトやコカ・コーラの販売を止めた。確かにレストランに行っても米国の食事の量は日本の2倍あり、コカ・コーラのサイズにしても米国の小サイズが日本の中又は大サイズに匹敵する。また米国人の家庭が外で食べる食事の量はこの20年間で2倍以上になっている。その上殆どの米国人は食間にスナックを食べているし、その結果通常必要なカロリーより日に200カロリーも多くなっている。職場では座っている仕事が多いのに、仕事が終わった後の運動量は減少傾向にあるという悪循環だ。 食品業界の中には批判を避けるためのアクションを取り始めているところも出始めた。クラフト・フードはマーケティング戦略を変更し、食べる量やカロリーの量からの肥満の可能性を打ち出した。また肥満に関する消費者教育、ヘルシア(より健康な)・チョイスのマーケティングや薬の開発への取り組みが強化され始めた。 この肥満現象は加工食品業界に大きなチャンスを与えている。肥満の人々は「4L商品」つまり、Light(ライト)、Lean(脂肪の無い・赤み)、Low(低いカロリー)、Less(より少ないカロリー)をキーワードとして、それらの商品を求めている。そして消費者は「より少ないカロリーで脂肪分の少ない」を戦略的ポジショニングにしているブランドを選択している。例えば「Weight Watchers」「Lean Cuisine」「Healthy Choice」等である。またローカーボ(低い炭水化物)ダイエットプランというのがはやっており、食品会社やビール会社はローカーボ商品の導入に躍起になっている。食品トータルの売上は、2002年度にスーパーマーケットチャネルでは6.7%成長したが、Weight Watchersブランドは20%も成長した。いかに市場性が高いかが分かる。 「Better for You」商品の成長は著しく、大豆商品、サプリメント・バー、ウエイトコントロールカテゴリー、びん入りエネルギードリンク、スポーツドリンク、水関連はホットなカテゴリーであり、これらのカテゴリーは過去5年間に年間18%以上の成長を記録した。昔から有名な商品としてはゲーターレードがあるが、「Propel Fitness Water」は今人々の関心を引いて成長著しい。びん入りエネルギードリンクは年間2倍以上市場が広がっている。今後ビタミン、ミネラル、ファイバーなどが入っていながらカロリーを低く抑えたウエルネス飲料水は大きく成長すると予測されている。肥満の人々はウエイトマネージメント商品をあらゆるカテゴリーで購入するが、今後興味を持たれるカテゴリーはミールソリューション、コンビニエンスフード、そして飲料水の分野でのウエイトコントロール商材である。又多くの肥満の人々は肥満治療薬を使用していない。ウエイトロスはあらゆる人種・性・年齢にわたっているので、一つの家族の中でもそれぞれに適したプログラムが組まれていかなければならない。これが顧客の固定化にもつながるが、薬剤師や栄養士の活躍の場が益々広がっている。 |
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