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「2004 年度のウォルグリーンの実績」(パート1) |
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2004年8月31日に会計年度を終えたウォルグリーンの業績が発表され、30年連続増収増益と又記録を塗り替えた。売上は375.0億ドルで、前年比15.4%の成長を記録し、税引き後の純利益では13.6億ドル、前年比15.7%の成長であった。既存店の業績は、売上において前年比10.9%の成長であった。これは、全米44州とプエルトリコで展開している4579の店舗と、3つのメールサービスの施設で、従業員163,000人によってなされた結果である。新店舗は436店舗であったが、81店舗の閉鎖で、純増は355店舗であった。閉鎖した店の場合の殆どは、リロケーションといって、閉鎖した店のすぐそばのより良い立地に店を出している為に、今までの顧客に迷惑をかけるどころか、さらなる便利性を提供している。新店のうち、非常に良い立地店舗については購入したが、その他はリースである。ウォルグリーンは、余程良い立地以外は購入せず、リース主体の方針である。また、他のチェーンドラッグが規模拡大のために合併戦略を取るのに反して、ウォルグリーンはあくまで自前で店舗を増加させている。吸収されるような企業には、消費者から見放されるような悪い企業文化が根付いていることが多く、それが、顧客第一をモットーにするウォルグリーンの企業文化をおかしなものにする危険もあり、また吸収した店からの悪い印象を引きずって、消費者にウォルグリーンはひどい企業だと判断されかねないからである。 一日の来店客は4百万人、店舗平均売場面積は309坪で、店舗平均の年間売上げは7.9百万ドルである。そして、権威あるフォーチューン誌による、最も賞賛される企業のフード&ドラック部門で、2004年度No.1の地位を獲得した。 粗利益率は27.2%で、前年度を上回った。一方、販売管理費は21.5%で、2003年度の21.4%よりわずかだが上がっている。株主資本収益率は17.6ポイントとなっているが、この数値は、他のチェーンドラッグが12%以下という実態を見ると、いかに成長性及び収益性の高い経営をしているかが分かる。 |
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◆ウォルグリーン2004年度の業績
◆ウォルグリーンの成長性推移
◆ウォルグリーンの年度別店舗概要
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調剤薬の売上は、全店で17.8%成長し、既存店では14.0%の成長であった。これを商品構成比で見てみると、全売上の63%を占めており、年々その構成比を増加させている。第三者機関(マネージドケア、政府及び民間保険)関連の調剤の売上は、ウォルグリーンの全調剤売上の92%を占めるようになり、現金調剤は8%に落ちてしまった。これが調剤の粗利益を落とす大きな問題になっている(1990年には35〜40%の利益があったが、現在では22%程度)。調剤利益率の向上の為にジェネリックの活用を推進しているが、これはヘルスケアコストを削減するのに加えて、店に利益を運ぶと言うことでWin-Win商品になっている。またシニアディビデンドというプログラムを実施しているが、これは55歳以上で調剤の現金客である場合、支払った金額の10%をウォルグリーンの店で使うことが出来るというプログラムである。例えば、60ドル支払った場合、6ドルを他の商品の購入に活用出来るのである。シニアディビデンドカードは勿論貯めることも出来るし、どのウォルグリーンでも使用することが出来る。これは顧客のロイヤルカスタマー化と調剤の利益率向上の為の戦略である。 ウォルグリーンの調剤件数は年間443百万件で、1日当り店舗平均360枚の調剤売上を上げている。小売全調剤の14%のシェアを占めており、米国一の大きな調剤の売上を持つ企業である。高齢化社会において、命を救う新しい薬の市場化は、調剤市場を非常に明るくしている。またシニア人口が増加しているためのみならず、彼らがこれまで以上にクスリにお世話になってきていることも、この市場の成長要因になっている。例えば、55才以上の処方回数で見てみると、1992年には平均年間17回だったのが、2000年には26回と急上昇しており、さらに2010年には36回になると推測されている。メールオーダー調剤の急速な成長に対抗するため、「アドバンテージ90」というプログラムを調剤で開始した。メールオーダーの場合、保険会社は90日分の処方薬の提供を許しているが、小売店経由の場合は30日しか認めていない(保険会社がメールオーダー会社を所有しているケースが多く、有利にするために仕組まれている。)。小売店経由の場合、90日分の処方薬をもらうのに3回に分けてもらわなければならないため、顧客はその都度自己負担金額を払うので、自己負担が3倍になる。このことが小売店経由の調剤薬シェアをメールオーダーが奪う要因の一つになっているため、ウォルグリーンでは、メールオーダーと同じ条件で顧客に調剤薬を渡せる仕組みにした(顧客の3回の自己負担分うち、2回分はウォルグリーンが持つ)。 ウォルグリーンでは商圏の人種に合わせる為に、日本語、中国語、フランス語、ポルトガル語、ポーランド語、ロシア語、ベトナム語、スペイン語、英語等、14ヶ国語で調剤のラベルがプリントされるようになっており、現在では英語以外の言語の調剤ラベルを求める顧客が増加している。 |
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