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「2004年度のOTC市場」 |
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2004年度のOTC市場は前年比2.7%という若干の成長を記録した。業態別に見た場合、ディスカウントストアは5%近い成長を示したが、ドラッグストアはOTC全体市場と同じ伸び率で、スーパーマーケットは売上げを落とした。構成比で見ても、ディスカウトストアが43%でトプ、ドラッグストアは市場の1/3しか占めていない。日本ではOTCの規制緩和が今後も進んでゆくが、米国のケースを対岸の火事視しないようにしなければならない。 ディスカウントストアの中でも恐ろしいのはウォルマートで、147億ドル中の117億ドルを販売している。そしてその金額はドラッグストアトータルの販売額を上回っていることだ。ウォルマートは商品を絞り込み、大量仕入れ・大量販売を徹底している。消費者の購買傾向として、カテゴリーの性質上、趣向が分散化せず上位集中している場合は、価格の安いウォルマートで購入する傾向が強い。一方、好みが多様化しブランドが分散しているカテゴリーや、専門性を求めるカテゴリーの場合は、ドラッグストアで購入する比率が高い。下記の表は2004年度OTCのカテゴリー別の結果だ。 |
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◆米国におけるOTCカテゴリー売上高
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いくつかのカテゴリーについて説明をしよう。 1. 内服鎮痛剤 この市場は前年比で約3%近く減少したが、ドラッグストアは1.1%のマイナスであった。ブランド別に見た場合、タイレノールが13.3%で一位だが、アドビルが13.1%で2位とその差を急速に詰めてきている。その要因は、消費者の好みがタイレノールのアセタミノフェンよりアドビルの成分イブプロフェンへと傾いたからだとコメントする人もいる。 2. 風邪・アレルギー・鼻炎薬タブレット 大きな成長を記録した。特にドラッグストア業態では10.7%も成長したが、大きな要因はクラリティン等のスイッチOTC化された薬の好調が続いていることだ。ユニットセールでの市場の伸びが1.2%であったのに、金額単位で6.1%伸びたのは、人々が価格帯の高いこれらのスイッチ化された薬に飛びついた証拠だ。 3. 歯磨き 2003年には4%の落ち込みを記録したが、昨年度はほぼ横ばいの結果に終わった。その中でドラッグストアは売上げを伸ばした。白い歯、口臭除去、虫歯予防に関する新製品が続々と市場化され、消費者の好みが分散化したことが、ドラッグストアの追い風になった。 4. ミネラル/ビタミン ミネラルは1昨年非常に成長したが、昨年はほぼ横ばいの状況であった。マルチビタミンも一昨年は非常に成長したが、昨年はそれほど大きな伸びは無かった。マルチビタミンは色々なビタミンを摂取しなくて良いという簡便さがシニア層に喜ばれている。そして55歳以上の人のマルチビタミン、シニア男性用のOne-A-Day、減量用のOne-A-Day というように、セグメントを明確にした商品が売れている。シングルビタミンは2003年は6%というカテゴリーの落ち込みを記録したが、昨年度は横ばいレベルに落ち着いた。ビタミンEの取りすぎが人体に弊害を与えるという報道があったが、食事からは充分な栄養素が取れないということ、またビタミンが病気治療に効果があると言う考え等、様々な理由から習慣的にビタミンを取る人が成人人口の7割近くになっている。 5. 胃薬(タブレット) スイッチされた胃薬のPrilosecの売上げが好調で、既存の競合品を凌駕して30%のマーケットシェアを握りトップブランドになった。この商品はプライスポイントが高いため、カテゴリーの売上げを上げる効果もあった。その結果前年比20%以上の売上げ拡大で、ドラッグストアは約半分の市場シェアを獲得している。 6. ウエイトコントロールリキッド/パウダー 肥満は米国人の大きな関心事である。それにもかかわらずこのカテゴリーは大きく市場が縮小された。それは人々がローカーブ(低炭水化物)ブームにより、そちらの商品に移ったことや、エフェドラ成分の入った商品の販売禁止措置によりそれに変わる代替商品が市場化されなかったことによる。 7. 生理用品(ナプキン/ライナー) 市場は4%近く縮小したが、ドラッグストアでは2%程度成長した。これはスーパーマーケットの大きな落ち込みをドラッグストアが奪った結果だ。ドラッグストアは本来女性が主要客で、女性が購入しやすい。一方スーパーマーケットは食品の専門性により力を入れているため、かさばるこのような商品には消極的で品揃えも限定でしていることで、シェアを大きく落とした。 8. アイ・レンズケア 市場としては横ばいだが、コンタクトレンズ市場の低年齢化やシニアの人々が積極的に試用することになったこと、またコンピューター使用者の増加は、このカテゴリーの将来性を明るいものとしている。これらの傾向は目のケアや治療ニーズを高め、目薬市場にも追い風となっている。 が行ったことと、エフェドラ成分の入った商品の販売禁止措置によりそれに代わる商品が市場化されなかったことによる。 9. マウスウォッシュ 米国デンタル協会がオーラルケアに関してマウスウォッシュの効果を報道した。また中高年の歯周病予防としてトータルオーラルケアで歯間清掃の重要性が見直されている。そしてドラッグストアにおけるオーラル相談会が好評なため、オーラルケアはドラッグストアというイメージが促進された。リステリンが5割以上のシェアを確保している。 10. 大人用失禁商品 昔からのドラッグストア用商品であり、ドラッグストアが市場の50%以上のシェアを持っている。高齢化により市場は拡大しており、PB比率が2002年の31%から38%に拡大した。ドラッグストアの商品は価格ポイントが高めで、利益率も高く回転率も高いので、どのドラッグストアでも大切な商品になっている。 11. 歯ブラシ マーケットトータルでは売上げを落としているが、ドラッグストアでは伸ばしている。その要因は、機能性のあるプライスポイントの高い商品を積極的に販売したからだ。人々は自分の求める機能があれば、少々価格が高くてもそれらを購入していく。一方、電動歯ブラシは3年前までは急成長したが、現在では減少している。電動歯ブラシの新製品の価格 が5〜7ドルと急低下したことが原因だ。子供市場ではキャラクターつきの商品が良く売れ、販売のためにはキャラクターは必須になっている。 12. デンタルアクセサリー/器具 米国デンタル協会が、歯周病はがんや糖尿病等いろいろな病気に関連する可能性持つと警告し、歯間清掃の大切さを人々に呼びかけたため、デンタルアクセサリー/器具のカテゴリーが大きく成長した。またベビーブーマー(アメリカの団塊世代)が歯周病にかかりやすい年代に達したことも追い風になった。メーカーが歯間清掃や歯ぐきをマッサージする器具などの製品の開発し、ドラッグストアもその売り場の拡大と商品の積極的な導入をしたことがマーケットを広げた。 13. ファーストエイド ファーストエイドや抗菌商品とドラッグストアというのは、消費者にとって非常にマッチングしたイメージであり、ドラッグストアの売上げ構成比は60%以上あり、成長も示した。この中で今後も成長を見込める商品として抗菌商品がある。バクテリアから身を守るための商品、スカーケア商品である。ベビーブーマーの消費者の多くがコスメチック整形手術 に興味を持っており、実際2002年には660万人が美容整形をした。年齢で見ると35〜50歳の人が45%のシェアを占めている。また同じ年に30万人近い人がスカー(傷跡)を綺麗にするための手術を受けている。このように高齢社会というのは怪我や手術などで傷跡を持つ人が増加するが、その傷跡を小さくしたり隠したりする商品に対するニーズがこの市場の成長の元になっている。 14. フットケア 高齢化によりニーズが高まっているにもかかわらず、フットケアカテゴリーの成長が停滞した。その理由は、女性に適したフットケア商材が充分でないこと、女性が売り場で求める商品を探しにくいこと、そして価格が高めであることがあげられている。一方フットケアの治療薬市場は順調に成長しており、人々は特にドラッグストアをそれらの商品を購入する場所と決めているため、ドラッグストアは60%以上の市場シェアを持っている。 |
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