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■第34回「最新のCVS及びライトエイドの状況」

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欧米ドラッグ最新事情 第34回
「最新のCVS及びライトエイドの状況」

◆2005年度業績

項目 CVS ライトエイド
売上高 37010百万ドル 17270百万ドル
前年比 21.0% 2.7%
調剤売上高 25974百万ドル 10900百万ドル
前年比 20.8% 2.8%
調剤売上げ構成比 70.2% 63.2%
店舗数 5471 3323
平均店舗サイズ 11000sqft 12750sqft
店舗当り売上げ 6.8百万ドル 5.2百万ドル
既存店売上げ前年比 6.5% 1.1%


  1. CVS

    CVSの大きなニュースは2005年のエカードに続いて、最近アルバートソンからSav-on DrugsとOsco Drugを買収したことだ。これにより42州とワシントンDCを6200店でカバーすることになった(上記表はSav-on及びOscoの売上げ及び店舗数を含まず)。特にSav-onの獲得は南カリフォルニア全体をカバーできるという大きなメリットをもたらした。

    CVSのミッションは“CVS Easy”(The easiest pharmacy retailer for customer)で、便利で快適なショッピング経験を提供するファーマシー小売業を意味している。そのために長時間営業、低いゴンドラ、大きな通路、適正サイズ(300坪)の店舗を展開している。新プロトタイプのLife prototypeは300坪の店舗サイズで、入り口から対角線上反対側の奥までの主通路をカーブさせて「カーブするドライブ通路」と呼んでいる。これは入り口から奥の調剤室までを散歩道のように曲がりくねった大きな通路にし、調剤室まで行きやすくしている。ゴンドラは短くし、エンドが沢山とれるのでプロモーションスペースが大きく取れている。今までのレイアウトよりHBAカテゴリーを強化しており、HBA売り場は80フィート長く、1000以上のSKUが取扱われている。

    米国の調剤市場は、2004年度は2360億ドルだったが、2015年には7200億ドルに成長すると予測されている。そのため調剤に力を入れており、CVSトータル売り上げの70%の売上げ構成比を持つ。これは現在米国の小売調剤市場の14%のシェアにあたる。そして更なる専門性向上のためにヘルスケアのワンストップショッピングをテーマに、ミニッツ・クリニックという機関と提携し、81の店内に上級看護師を配置し検査及び簡単な病気の治療や予防接種をしている。

    ビューティーケアも目的来店性の分野にしている。「Beauty News」をテーマにしており、百貨店や専門店と伍して戦える売り場作りをしている。化粧品ではヨーロッパブランドを積極的に導入している。2003年にスカンジナビアンスキンケアラインのLumene やNuprinと米国での独占販売契約をし、2004年度に10億ドルの売上げを上げ大成功した。その後Preventin、Vichy、Aveneを導入した。また米国ブランドではChristophe Beverly Hillsヘアケアラインと契約をし、商品はその専門店とCVSのみで販売されている。このようにCVSでは限定商品販売を強化している。 またヘルシースキンケアセンターを100店舗に導入し、ビューティーアドバイザーを配置し、きれいな什器にプレミアムブランドが品揃えし、客が楽しく品選びしやすいように、鏡・サンプル・テスター等を多く配置している。

    化粧品コーナーのそばには関連する生理用品やベビーが配置されており、クイックショッピングを可能にするためにレジにも化粧品や薬を陳列している。PB比率は現在13%だが、20%を目標にしている。

    ロイヤルティプログラムとして“CVS ExtraCare”というプログラムを実施しており、5千万人の会員がいる。顧客は4半期ごとの総購入金額の2%をクーポンとして使用できる。また2度調剤をしてもらうたびに1ドルのクーポン券がもらえる。CVSは顧客の購買傾向を分析し、関連する商品のクーポン券をメールすることにより試買させるように試みている。例えば、カラーコスメを購入する顧客がスキンケアを購入していないのが分かると、アンチエイジングのスキンケア商品を特別価格で提供するクーポン券を送付している。


  2. ライトエイド

    ライトエイドは長年業績の不振を経験したが、現在の経営人の下に再建を図っている。2005年も売上げ利益を伸張させ3年連続の増収増益を記録した。2010年までに1000店舗の新店舗又は店舗のリロケーションをする計画を発表し、新しい成長路線を打ち出した。この成長を支えるのが“Customer World”プロトタイプで、これは顧客からの要望をベースに作られた。店の入り口には、ライトエイドと並んでファーマシーという言葉を大きく掲示し、「ライトエイド=調剤」というイメージを高めようとしている。そして調剤を店舗の核に位置づけ、入り口から店の奥の調剤室が分かりやすく広い通路で導かれるようになっている。そして、ライトエイドの調査によると、ファーマシーを利用するお客さんは、ファーマシーという言葉よりファーマシスト(薬剤師)という言葉を多用し、薬剤師と強い絆があることが分かったため、ファーマシーというコーナーサインに変えて、ファーマシストという言葉をつけた。調剤の待合室は天井を低くし、座りやすい椅子を配置することにより居心地の良い空間を実現した。また調剤薬を待つ間飽きないようにテレビを設置して、健康情報も流している。調剤室の脇には、細かなカウンセリングを受けたい人のためのプライバシーを考慮したカウンセリングルームを設けた。またドライブスルーウインドウは車の中からも店内が良く見え、店内に入りたい気持ちを高めさせるために、ウインドウを大きなものにした。調剤室の隣はビタミンコーナーで、GNC(全米No.1のビタミンショップ)が入っているが、週に20時間GNCから人が送られてきて、ニュートリションのカウンセリングに応じ他のチェーンとの差別化をしている。

    又、今まで壁面に配置されていたビューティーケアコーナーを店の中央に持ってゆき、ビューティーのデスティネーション化をクローズアップしている。壁面にはコンビニエンスフードを配置して便利性を強化した。またドライブスルー機能を全店舗に設置すべくプログラムを進めている。

    “Take Care Health Center”も導入され、簡単な病気の検査・診断・治療及び予防接種を実施している。のど、目・耳・鼻、・肌・尿路感染の治療、糖尿病・血圧・コレステロールの検査、インフルエンザ・疱瘡、・ジフテリアなどの予防接種が含まれる。

    売上げの63%を占める調剤をビジネスの核にしている。そのため医師とのペーパーレス処方(eスクリプト)テクノロジーの導入を積極化している。また「リビングモアプログラム」と呼ばれるシニアロイヤルティカードプログラムを実施しており、現金調剤客に対する調剤費用の10%引きや、プライベートブランドの購買にもその割引金額を活用できるようになっている。糖尿病やアレルギー対策のプログラムを進めており、全国をキャラバンで回ってそれぞれの商圏の顧客に対応している。







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