| 薬剤師のためのWeb研修・教育研修情報サイト |
|
|
「強い店作りは“1 Best, 1 Better, 3 Average”のハロー効果狙い」 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| お客に「良い店」という印象を強く与えるには、全体が平均点の店を作るよりも、誰にも負けない絶対的に強い分野を持つ店を作ることだ。その強い分野が競争相手と戦う武器になり、お客に与える印象を強くする。その上、店の弱点をも隠す効果がある。子供の教育と同じである。全ての科目で平均点を取るより、一つの科目でトップになれば、自信がつき他の科目にも挑戦するようになり、全科目のレベルアップが図れる。一つの科目に秀でると、先生や他の生徒のその子に対する印象が違ってくるのと同じだ。 人は人間を学歴・地位・交友関係などで評価し、会社を企業規模・ランク・ブランド力・社会貢献度などで評価する傾向がある。名刺に「部長」「店長」などの肩書きがついていると、相手に信頼感を与える。太陽や月にかかった暈を「ハロー」というが、暈のかかった太陽や月は通常より大きく見える。また仏像に後光が射しているとより荘厳に見える。 一つでも二つでも顕著な良い特長があると、その他の全てが良く見えてしまう。このような傾向を「ハロー(光背)効果」という。例えば、美味しいと評判の中華レストランがよく本や雑誌に紹介されるが、意地悪に言うならば、美味しいと評価した人はその店の全部のメニューを食べた上で評価したのかと言ってみたくなる。実際はそうでなく、一部のメニュー(シュウマイ・ふかひれ・チャーシュー・マーボ豆腐等)が美味しくてその印象が強いからいつの間にか「あの店は美味しい」という評判になるのだ。この例でも分かる通り、店の評判を高めるためには、全てのメニューを美味しくしようと努力するより、名物料理を出して評判を売るほうが時間的にもそしてコスト的にも効率的であり、効果的だ。 米国の消費者調査によると、消費者の店舗選択要因の第一位は「信頼」である。多くの経営者が上位に入ると考えていた「低価格」は何と5%であった。確かに「低価格」を店舗選択の第一条件とする人は19%程度いる。しかし残りの81%の人々は「信頼」を重視している。その信頼は、次の5つの価値の総合によって判断され、お客はその総合点で店を評価するのだ。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
信頼=「商品価値」+「便利性価値」+「サービス価値」+「雰囲気価値」+「価格価値」
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| しかし5つの価値で全てに最高点を取ろうとすると、時間とコストがかかりすぎる。5つとも平均点であったら、お客の印象には残らない。米国の優れた企業が実施しているのは、「ハロー効果」現象を活用した「1
Best, 1 Better, 3 Average」主義なのだ。つまり、5つの価値のうち、ある一つの価値ではその業界で圧倒的な強さを持ち、もう一つの価値ではライバルより強くなり、残り3つの価値においては業界平均よりも良い、という考え方だ。ただし、残り3つの価値のうちどれか一つでも業界の平均点よりも低いと、他の価値も低く見られる。 エブリデーロープライスを旗印に世界一の小売業になり、最近の価格調査でも多くの品目で一番安い米国のウォルマートは、価格価値で圧倒的な強さを出すことによって、サービスの悪さ、味気無い店の雰囲気、便利性などをお客に我慢してもらっているのだ。今年6月ディスカウントストア、ドラッグストア、スーパーマーケット業態のトップ企業を選択して、カリフォルニアに出店している店舗での価格調査を実施した。その結果何とウォルマートは10アイテム中9アイテムで最低価格を記録した。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
◆6企業の価格調査
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| しかし米国の小売業全てが価格で圧倒的な強さを持つウォルマートにやられたかというとそうではなく、しっかりと頑張ってウォルマート以上の業績を記録している企業が数多くある。下表は優良各企業の戦略だ。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ホームセンターのホームデポは、家を一軒建てることが出来て修理出来る品揃えという圧倒的な品揃えとプロが認める品質の良い商品によって米国のホームセンターNo.1になった。 ウォルグリーンは、調剤薬では米国の調剤市場(枚数ベース)の15%のシェアを持ち、その専門性(全店舗サテライトでオンライン化・14ヶ国語に対応できる服薬指導・米国で最も信頼の高いメイヨクリニックとの提携等)と便利性(24時間店舗・ドライブスルー・配達・便利な立地・待たせないレジ等)では群を抜いている。 |
このページのトップにもどる |
|
|
|
| Copyright 2003-2007 UNIKE SOFTWARE RESEARCH CO.,LTD. All rights reserved. |